○南部町移動支援事業実施要綱

平成31年3月18日

訓令第8号

(趣旨)

第1条 この訓令は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「法」という。)第77条第1項第8号の規定に基づき町が実施する移動支援事業(以下「事業」という。)を行うことに関し必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 この事業の実施主体は、南部町とする。

2 町長は、この事業の一部を適切な事業運営を行うことができると認める社会福祉法人等のサービス事業者(以下「サービス事業者という。」)に委託することができる。

(事業内容)

第3条 この事業は、法第4条第1項に規定する障害者及び同条第2項に規定する障害児(以下「障害者等」という。)が社会生活上不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出を行う際に必要な移動を支援するサービス(以下「移動支援サービス」という。)の提供をサービス事業者から受けた場合に、当該移動支援サービスに係る費用(以下「移動支援給付費」という。)を、予算の範囲内で支給するものとする。

(移動支援サービスの種類及び内容)

第4条 移動支援サービスの種類及び内容は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

(1) ヘルパー支援型サービス(以下「1号サービス」という。)外出時の付添、見守り、食事の介助その他の必要な支援を提供するものであって次の又はの形態によるもの。

 個別支援型(個別的支援が必要な障害者等に対し、サービス事業者が1対1で行う支援)

 グループ支援型(屋外でのグループワーク又は同一目的地若しくは同一イベント等へ複数人が同時に参加する場合に、一の支援を提供するサービス事業者が同時に複数(3人を限度とする。)の障害者等に対し行う支援)

(2) 車両移送型サービス(以下「2号サービス」という。)道路運送法(昭和26年法律第183号)第78条第2号に規定する自家用有償旅客運送としての輸送

(利用対象者)

第5条 この事業を利用することができる障害児等(以下「利用対象者」という。)は、町が法に基づく援護の主体となっている者のうち町長が移動支援サービスが必要と認めたものとする。

(移動支援サービスの対象となる外出)

第6条 移動支援サービスの対象となる外出は、1日の範囲内で当該外出の用務が完結するものであって次の表の左欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に掲げるものとする。

社会生活上必要不可欠な外出

ア 官公署、医療機関、金融機関等での手続、相談

イ 日常生活上必要な買い物

ウ 理容院又は美容院の利用

エ 冠婚葬祭又は入学式、卒業式、成人式その他式典等への出席

オ 上記に準ずる外出として町長が認めるもの

余暇活動等社会参加のための外出

ア 外食、レジャー、レクリエーション等の余暇活動

イ PTA活動、ボランティア活動等の社会貢献活動

ウ 参拝、墓参等の社会的慣習

エ 地域における各種行事等への参加

オ 上記に準ずる外出として町長が認めるもの

(移動支援サービスの対象とならない外出)

第7条 次に掲げる外出は、移動支援サービスの対象としない。ただし、第2号に掲げる外出であって、利用対象者の保護者等の疾病等やむを得ない事由により支援が必要であると町長が認めたものは、この限りでない。

(1) 営業活動等の経済活動を目的としたもの

(2) 通勤、通学その他の通年かつ長期にわたるもの

(3) 社会通念上、町長が支援を行うことが適当でないと認めたもの

(他の制度との関係)

第8条 この事業以外の他の制度において、この事業における移動支援サービスに相当するサービスを利用することができる場合は、当該他の制度を優先する。

(支給承認申請等)

第9条 移動支援給付費の支給を受けようとする障害者等(以下「申請者」という。)は、移動支援給付費支給承認申請書(様式第1号。以下「申請書」という。)を町長に提出し、移動支援給付費の支給について承認を得なければならない。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる者は、代理人として申請者に代わり申請を行うことができる。

(1) 申請者の属する世帯の構成員

(2) 申請者の法定代理人(親権者、未成年後見人、成年後見人及び代理権付与の審判がなされた保佐人又は補助人)

(3) 親族その他の申請者の身の回りの世話をしている者等であって町長が認めるもの

3 町長は、前項の申請書が提出されたときは別に定める「移動支援事業判定基準」に基づき移動支援サービスの必要性等について審査の上、速やかに支給の可否及び支給を可とした場合の移動支援給付費の支給量その他の支給内容(以下「支給内容」という。)を決定し、移動支援給付費支給承認(不承認)通知書(様式第2号。以下第14条において「決定通知書」という。)により、申請者へ通知するものとする。

4 前項の規定により、支給について承認した場合は、別に定める受給者証を交付するものとする。

(支給内容等の変更手続)

第10条 前条第3項の規定により移動支援給付費の支給承認の決定を受けた申請者(以下「利用者」という。)が支給内容を変更しようとするとき、又は申請書の記載内容に変更が生じたときの手続は、前条の規定を適用する。

(支給量の上限)

第11条 移動支援給付費の支給量の上限は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

(1) 1号サービスの上限 一の利用者につき、1箇月当たり20時間

(2) 2号サービスの上限 一の利用者につき、1箇月当たり20時間

2 前項の規定にかかわらず、町長が特に必要と認めるときは、1箇月当たりの上限を超えて支給することができるものとする。ただし、年間を通した支給量は、一の利用者につき、1号サービス及び2号サービスともに、それぞれ240時間を超えてはならない。

(支給承認の有効期限及び更新申請)

第12条 移動支援給付費の支給承認の有効期限は、当該支給承認の決定日以後の最初の6月末日とする。

2 利用者は、前項に規定する有効期限後も引き続き移動支援給付費の支給を受けようとするときは、当該有効期限前1箇月の期間内に、第9条第1項に規定する申請を行わなければならない。

(支給承認の取消し)

第13条 町長は、利用者が次の各号のいずれかに該当するときは、移動支援給付費の支給承認の決定を取り消すことができる。

(1) 利用対象者でなくなったとき。

(2) 不正又は虚偽の申請により、支給承認の決定を受けたとき。

(3) 移動支援給付費の支給を受けることを辞退したとき。

(4) その他町長が利用を不適当と認めたとき。

2 町長は、前項の規定により移動支援給付費の支給承認の決定を取り消すこととしたときは、移動支援給付費支給承認取消通知書(様式第3号)により、利用者へ通知するものとする。

(利用の方法)

第14条 利用者は、移動支援サービスの提供を受けようとするときは、当該移動支援サービスを提供するサービス事業所(南部町地域生活支援事業サービス事業所登録要綱(平成31南部町訓令第7号)第2条第1号に規定する移動支援事業においてサービスの提供主体となる事業所として登録を認められたものをいう。以下「サービス事業所という」。)へ決定通知書を提示して直接依頼するものとする。

(費用の基準額等)

第15条 移動支援サービスに要する費用の基準額(以下「基準額」という。)は、1号サービスにあっては別表第1に、2号サービスにあっては別表第2に定めるとおりとする。

(移動支援給付費の額)

第16条 移動支援給付費の額は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

(1) 1号サービスに係る移動支援給付費の額 別表第1に定める基準額の100分の95に相当する額(当該額に10円未満の端数が生じたときはこれを切り捨てる。)

(2) 2号サービスに係る移動支援給付費の額 別表第2に定める基準額とサービス事業所が道路運送法第79条に規定する登録を受ける際に定めた輸送の対価(登録料、会費、燃料費、迎車料金等を除く。以下「輸送の対価」という。)とを比較し、いずれか低いほうの額

2 前項第1号の規定にかかわらず、1号サービスの利用者が次の各号のいずれかの世帯の構成員である場合の移動支援給付費の額は、当該各号に定める額とする。

(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)に基づく生活扶助の受給世帯 別表第1に定める基準額に相当する額

(2) 1号サービスの提供を受けた日の属する年度(4月から6月までの期間については前年度とする。)の市町村民税が非課税である世帯 別表第1に定める基準額の100分の97に相当する額(当該額に10円未満の端数が生じたときはこれを切り捨てる。)

(1号サービスの利用者負担)

第17条 1号サービスの利用者は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める額をサービス事業所へ支払うものとする。

(1) 第19条第3項の規定に基づき移動支援給付費の請求及び受領をサービス事業所に委任しない場合 別表第1に定める基準額

(2) 同項の規定に基づき移動支援給付費の請求及び受領をサービス事業所に委任する場合 別表第1に定める基準額から第16条の規定により算定して得た移動支援給付費の額を控除して得た額

(2号サービスの利用者負担)

第18条 2号サービスの利用者は、サービス事業所が輸送の対価として定める額を当該サービス事業所へ支払うものとする。ただし、次条第3項の規定に基づき移動支援給付費の請求及び受領を当該サービス事業所に委任する場合にあっては、輸送の対価が第16条第1項第2号の規定により算定して得た移動支援給付費の額を超える場合に限り、当該超える額を支払うものとする。

(移動支援給付費の支払)

第19条 町長は、利用者又は当該利用者の第9条第2項に規定する代理人(以下「利用者等」という。)の請求に基づき、当該利用者に係る移動支援給付費を支払うものとする。

2 利用者等は、移動支援サービスの提供を受けた日の属する月の翌月10日までに、請求書に別に定める移動支援給付移動支援提供実績記録票を添えて、当該移動支援サービスの提供を受けた日の属する月分の移動支援給付費について一括して町長に請求しなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、利用者等は、移動支援給付費の請求及び当該移動支援給付費の受領について、移動支援サービスの提供を受けたサービス事業所に委任することができる。

4 町長は、サービス事業所から前項の規定による請求があったときは、利用者等に支払うべき移動支援給付費を、当該利用者等に代わり当該サービス事業所に支払うものとする。

5 前項の規定により町長がサービス事業所に対し支払をしたときは、利用者等に対し移動支援給付費を支払ったものとみなす。

6 町長は、利用者等又はその委任を受けたサービス事業所から、移動支援サービスが提供された日の属する月の翌月の10日から起算して1年以内に、当該移動支援サービスに係る移動支援給付費の請求がなかった場合は、これを支給しないものとする。

(移動支援給付費の返還)

第20条 町長は、偽りその他不正の行為によって移動支援給付費の支払を受けた者があるときは、利用者等から当該移動支援給付費の全部又は一部の返還を求めることができる。

(その他)

第21条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成31年4月1日から施行する。

(準備行為)

2 第9条の規定による申請等の行為(2号サービスに係るものに限る。)は、この訓令の施行前においてもすることができる。この場合において、同条第3項の規定に基づく町長の処分は、この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)において効力を生ずるものとする。

(経過措置)

3 施行日の前日までになされた改正前の南部町移動支援事業実施要綱(以下「旧要綱」という。)の規定による処分、手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。

4 施行日の前日までになされた移動支援事業について、旧要綱の規定は、この訓令の施行後もなおその効力を有する。

別表第1(第15条、第16条、第17条関係)

ヘルパー支援型サービス基準額

1 個別支援型基準額

区分

サービス提供時間

(1日当たり)

基準額

身体介護を伴う場合

30分まで

2,500円

1時間まで

4,000円

1時間30分まで

5,800円

2時間まで

6,600円

2時間30分まで

7,500円

3時間まで

8,300円

以後30分増すごとに

800円を加算

身体介護を伴わない場合

30分まで

1,000円

1時間まで

1,900円

1時間30分まで

2,700円

2時間まで

3,400円

2時間30分まで

4,100円

3時間まで

4,800円

以後30分増すごとに

700円を加算

2 グループ支援型基準額

区分

サービス提供時間

(1日当たり)

基準額

身体介護を伴う場合

30分まで

1,750円

1時間まで

2,800円

1時間30分まで

4,060円

2時間まで

4,620円

2時間30分まで

5,250円

3時間まで

5,810円

以後30分増すごとに

560円を加算

身体介護を伴わない場合

30分まで

700円

1時間まで

1,330円

1時間30分まで

1,890円

2時間まで

2,380円

2時間30分まで

2,870円

3時間まで

3,360円

以後30分増すごとに

490円を加算

備考

1 基準額は、身体介護の有無の区分に応じ、1日当たりのサービスの提供に実際に要した時間数により算定する。

2 「身体介護を伴う場合」とは、サービスを提供する際に実際に身体介護を行ったか否かではなく、利用者の日常生活において身体介護が必要なものであって、サービス提供時にも当然に身体介護を伴うことが想定されるかどうかによって町長が判断した者に適用する。町長が判断するに当たっては、申請時の聴き取り調査等において状態をチェックし、日常生活動作と行動障害が別に定める一定の基準を超えたときに「身体介護を伴う場合」の対象とする。

3 夜間(午後6時から午後10時までの時間)又は早朝(午前6時から午前8時までの時間)にサービスを提供した場合は、100分の25に相当する額を加算し、深夜(午後10時から午前6時までの時間)にサービスを提供した場合は、100分の50に相当する額を加算する。

4 「2グループ支援型基準額」は、利用者1人当たりの額である。

別表第2(第15条、第16条関係)

車両移送型サービス基準額

移送に要する時間(1日当たり)

基準額

30分まで

600円

以後30分を増すごとに

600円を加算

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南部町移動支援事業実施要綱

平成31年3月18日 訓令第8号

(平成31年4月1日施行)