○南部町議会基本条例
令和5年12月15日
条例第21号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第6条)
第3章 町民と議会との関係について(第7条―第9条)
第4章 議会と町長等との関係(第10条―第12条)
第5章 自由討議の拡大(第13条)
第6章 議会改革の推進(第14条)
第7章 議会の機能強化(第15条―第18条)
第8章 災害対応(第19条)
第9章 最高規範性(第20条・第21条)
(前文)
日本国憲法に規定された地方自治に基づき、南部町議会(以下「議会」という。)は、南部町民(以下「町民」という。)に選挙で選ばれた町民の代表者であり、同じく町民から選挙で選ばれた南部町長(以下「町長執行機関」という。)とともに、二元代表制の一翼を担う代表機関である。町長執行機関には執行権、議会には議決権があり、ともに町民の意思を町政に的確に反映させるために、お互いに緊張関係を保持しながら切磋琢磨して重要な意思決定をし、町民福祉の向上のため、その役割と責務を果たしていかなくてはならない。
地方分権の進展に伴い、自治体の決定権と責務の範囲が拡大している中、議会は、自由闊達な議論のもと自治体の立案、決定、施策において公正性・透明性を確保する責務を有している。
そのために、議会は、議会改革に積極的に取り組み、「町民に開かれた議会」を目指し、町民に信頼され存在感のある議会を築くため、ここに議会の最高規範として「南部町議会基本条例」を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会の基本理念及び議員の活動原則を定めるとともに、町民参加を基本とする開かれた議会を実現し、町民福祉の向上及び町の健全な発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、二元代表制の下、常に町民に対する議決責任及び説明責任を果たし、町民の負託に応えなければならない。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第3条 議会は、次に掲げる事項を原則として活動を行わなければならない。
(1) 公正性、透明性及び信頼性を重んじ、町民に開かれた議会を目指す。
(2) 町民の多様な意見を的確に把握し、町政に反映させるための議会運営に努める。
(3) 地方分権の進展に的確に対応するため、他の地方公共団体の議会との交流及び連携を行う。
(委員会の活動原則)
第4条 各委員会は、次に掲げる事項を原則として活動を行わなければならない。
(1) 所管する審査にあたっては、必要な資料の提供を求め、十分な審議を行う。
(2) 委員相互の討議を重視し、町民に対して分かりやすい議論に努める。
(3) 議会の閉会中においても、当該委員会の所管する事項の調査研究活動を積極的に行う。
(議長及び議員の活動原則)
第5条 議長及び議員は、次に掲げる事項を原則として活動を行わなければならない。
(1) 議長は、議会を代表して、民主的で公正かつ公平な立場において職務を遂行し、効率的な議会運営を行う。
(2) 議員は、町政の課題について町民の意見を的確に把握するとともに、自己研鑽や資質の向上に努め、町民の代表者としてふさわしい活動を行う。
(3) 議員は、議会の構成員として、町民全体の福祉の向上を目指して活動する。
(議決責任)
第6条 議会は、議案に対する審議を十分尽くし、議決したときは、町民に対する説明責任を果たさなければならない。
第3章 町民と議会との関係について
(町民と議会との関係)
第7条 議会は、町民に対し議会が有する情報の説明責任を十分に果たし、町民が議会活動に参加する機会の確保と、町民の意見及び知見を議会活動や町政に反映させるよう努める。
(情報の共有及び公開)
第8条 議会は、議会の活動に関する情報を積極的に公開し、本会議及び委員会など、町民が傍聴しやすい環境の整備に努める。
(請願者・陳情者の意見陳述)
第9条 議会は、請願及び陳情が提出されたときは、その権利を尊重し、必要に応じて当該請願及び陳情した者の意見を聴く機会を設けることができる。
第4章 議会と町長等との関係
(議会と町長等との関係)
第10条 議会は、議事機関としての立場及び機能を生かし、町長等との緊張関係を保ちながら、政策をめぐる論点・争点を明確にし、議事機関としての役割を果たしていくものとする。
2 一般質問は、事前通告による一問一答の方式で行い、町長等は、議長又は委員長の許可を得て議員の質問及び質疑に対して、論点を分かりやすくするため、問うことが出来る。
(政策等提案の説明)
第11条 議会は、町長が提案する重要な政策等について、議会審議の水準を高めるため、次に掲げる資料等の提出を求めるものとする。
(1) 提案に至るまでの経緯
(2) 総合計画との整合性
(3) 政策等の実施に係る財源措置
(4) 将来にわたる効果及びコスト計算
(5) 他の自治体との類似する政策との比較検討
(6) 関係ある法令及び条例等
(7) その他議会が認めた重要事項
(監査及び評価)
第12条 議会は、予算の承認、決算の認定、監査の請求、調査の実施等を通じて、町長等の事務の執行についての評価を明らかにする責務を有する。
2 議会は、まちづくりの基本構想に基づく総合計画や重要な施策等について、その経過を常に検証し、評価するものとする。
第5章 自由討議の拡大
(自由討議による合意形成)
第13条 議会は、議員による討論の場であることを十分に認識し、本会議及び委員会等において、議員提出議案、町長提出議案、請願、陳情等に関して審議し、議員相互間の自由闊達な討議により議論を尽くして合意形成に努めるものとする。
2 議員は、自由討議の拡大を図るため、政策、条例等の議案の提出に努めるものとする。
第6章 議会改革の推進
(議会改革の推進)
第14条 議会は、議会改革に積極的かつ継続的に取り組むものとする。
2 議員で構成する議会改革推進のための会議を設置することができ、必要があると認めたときは、この会議に学識経験者等を加えることができる。
3 議会は、議会改革の取り組みについての検証を行うものとする。
第7章 議会の機能強化
(議会事務局の体制整備)
第15条 議会は、議会及び議員の政策形成及び立案機能を高め、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るとともに、執行機関の法務機能の活用、職員の併任等を考慮すること。
(議員研修の体制整備)
第16条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。
(議会広報活動の充実)
第17条 議会は、町政に関する重要な情報を議会独自の視点から、常に町民に対して迅速に周知するよう努めるものとする。
2 議会は、町民が議会と町政に関心を持てるよう、多様な広報手段を活用し、議会広報活動の充実強化に努めるものとする。
(議員倫理)
第18条 議員は、町民全体の代表者として、高い倫理的義務が課せられていることを常に自覚し、良心と責任感を持ってその責務を果たすとともに、品位の保持に努めるものとする。
第8章 災害対応
(災害時の議会と議員の役割)
第19条 議会は、災害が発生した時には、別に定める南部町議会議員災害等緊急時行動計画により対応するものとする。
2 議員は、地域の自主防災組織における共助の取り組みが、円滑に行えるよう協力・支援する。
第9章 最高規範性
(条例の運用)
第20条 この条例は、議会運営における最高規範であり、議会に関する条例、規則、規程等もこの条例の理念に沿うものでなければならない。
2 議会は、この条例の運用にあたっては、法令を遵守するとともに、条例の趣旨を尊重し、適正に行わなければならない。
3 一般選挙を経た任期開始後、速やかにこの条例の理念を議員に周知させる。
(見直し手続き)
第21条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを、改選後2年を経過した後、検証し、必要に応じて条例の見直し、改正などの措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。